すゞろなる記

すずろ【漫ろ】〈形動ナリ〉たいしたものではない。たわいもない。

資金循環統計をグラフにしてみる(国債等編)

日銀の資金循環統計から、国債等の保有者割合をグラフにしてみる。

家計と企業の金融資産については、以下でグラフに起こしてみた。

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データの入手先はこちら

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国債等の保有者内訳は、以下のようになる。

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国債等の保有者内訳(2021年6月時点)

注)国債等は、「国庫短期証券」「国債・財投債」の合計であり、一般政府(中央政府)のほか、公的金融機関(財政融資資金)の発行分を含む。

 

中央銀行(日銀)」が44.1%(540兆円)、続いて「保険・年金基金」が20.4%(250兆円)、「預金取扱機関」が14.2%(174兆円)であり、「海外」の保有率は13.2%(162兆円)となっている。

年間推移は以下のようになる。

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国債等の保有者推移(2016年3月~2021年6月)

2016年3月以降の「海外」の保有割合に着目すると、最も割合が少ないのが2016年6月の10.1%であり、最も高いのが2020年12月の13.4%であった。

資金循環統計をグラフにしてみる(企業編)

日銀の資金循環統計から、「家計」の金融資産の続き

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今度は、企業(民間非金融機関)の金融資産をグラフにしてみる。

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企業の金融資産の推移をグラフに起こすと以下のようになる。

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企業(Private nonfinancial corporations)の金融資産推移

2016年3月来の最高額は2018年9月の1235兆円であり、それ以来は落ち込んでいるものの2021年6月では1226兆円となった。

 

金融資産の構成比率はこのようになった。

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企業の金融資産の構成比率(2021年6月時点)

「株式等」が29.1%(357兆円)、次いで「現金・預金」25.8%(316兆円)、「企業間・貿易信用」が16.4%(201兆円)、「対外直接投資」が13.0%(159兆円)と続いている。

資金循環統計をグラフにしてみる(家計編)

9月17日の記事である。

[東京 17日 ロイター] - 日銀が17日に発表した4─6月期の資金循環統計によると、家計が保有する金融資産残高は6月末時点で1992兆円となり、前年に比べて6.3%増加した。現預金の増加や、株高による株式や投資信託の残高増加で過去最高を更新した。 家計の金融資産のうち、「現金・預金」は前年比4.0%増の1072兆円。賞与の支給が押し上げ要因。預金残高は970兆円で過去最高となった。「株式等」は30.0%増の210兆円、「投資信託」は28.7%増の89兆円。投信の残高は過去最高となった。 家計の金融資産は初の2000兆円乗せに迫ったが、次回発表される9月末のデータで2000兆円を突破するかは不透明な情勢。日経平均株価が3万円台を回復しているものの、9月末にはボーナスによる押し上げが剥落するため。 企業の金融資産は8.4%増の1226兆円。「現金・預金」が4.6%増の316兆円となったほか、「株式等」は10.3%増の357兆円。日銀の国債保有は540兆円で、残高に占める比率は44.1%で3月末の44.5%から低下した。海外の保有額は162兆円で、残高に占める比率は13.2%

 

記事の中で注目した部分を太字としたが、文字の羅列でどうも頭に入ってこない。

そこで、日銀の公表データをもとに、グラフにしてみた。

記事の説明では大きく分けて、1.家計、2.企業(民間非金融法人企業)、3.国債について言及している。それ故、まずは1つ目の「家計」について図にしてみる。

 

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「家計の金融資産の推移」は以下の通りとなる(2016年3月~2021年6月)。

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家計の金融資産の推移

注)「その他」は「貸出」「金融派生商品・雇用者ストックオプション」「預け金」「企業間・貿易信用」「未収・未払金」「対外証券投資」等の合計。

 

金融資産の残高は、2016年3月時点では1754兆円だったが、2021年6月では1992兆円となっている。確かに、グラフで確認できる2016年3月来の最高額である。

 

2016年からの5年間の比較では期間が長すぎるので、コロナ禍直前からの推移(2019年9月~2021年6月)を見てみる。

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家計の金融資産の推移(2019年9月以降)

一番下の青色の層(現金・預金)は2019年9月時点で985兆円、2021年6月時点で1072兆円と増加している。

 

投資信託(グラフの黄色の層:「投資信託受託証券」)を抜き出してみる。

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投資信託の推移

2020年3月は、2016年3月来の最低額で63兆円、2021年6月時点では89兆円となっている。

 

2021年6月時点における、金融資産の構成比率をグラフにしてみる。

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家計の金融資産構成比率(2021年6月時点)

「現金・預金」が53.8%、「保険・年金・定型保証」が27.0%(538兆円)、「株式等」は10.5%(210兆円)、「投資信託受託証券」は4.5%

各国GDPの年間推移(平成20年~平成31年/令和元年)(Annual change in GDP of each country (2008-2019))

日本を取り巻く主要国のGDP推移をグラフにしてみた。

データの取得方法はこちら

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注:上記中国のGDPに、特別行政区(SAR:Special Administrative Region 香港とマカオ)は含めていない

縦軸の一番下の目盛りは2兆ドル、一番上の目盛りは22兆ドル

平成22(2010)年に、中国のGDPが日本を上回った。

以来、上位2カ国(米国、中国)は右肩上がりの一方、3位の日本、4位のドイツは停滞したままとなっている。

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注:上記フランスのGDPに、仏領ポリネシアは含めていない

次に、2019年時点で上位3位から14位までの各国のGDP年間推移をグラフにしてみる。上位14位としたのは、地政学上重要な豪州(オーストラリア)が14位であるため。

3位の日本、4位のドイツと比べ、5位以下の国の推移が見づらい。

5位~14位の順位を表にしてみると、以下のとおりとなる。

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赤色と青色は、順位の入れ替えを示す。

この表を参考に、「2008年から2019年の間に、5位~8位に入ったことのある国」をグラフにしてみる。

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縦軸の一番下の目盛りは1兆2000億ドル、一番上の目盛りは3兆2000億ドル

5位、6位を英国、フランスが競っていたところ、右肩上がりのインドが抜き去ってしまった。

イタリアはなだらかに落ち込む一方である。

ロシアの変動が激しいのは、資源に依存する経済構造のためだろうか。

上記のグラフに載っていない国(カナダ、韓国、スペイン、豪州)と、変動の大きいロシアをグラフにまとめてみる。

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縦軸の一番下の目盛りは9000億ドル、一番上の目盛りは2兆3000億ドル

2019年時点においては、同水準の国は

1兆7000億ドル付近でカナダ、ロシア、韓国

1兆4000億ドル付近でスペイン、豪州と読めるだろう

国別GDPデータの取得方法 (How to use Analysis of Main Aggregates (AMA))

に国連統計部 (The United Nations Statistics Division (UNSD))から、1970年から2019年までの国内総生産 (Gross Domestic Product (GDP))を取得することが出来る。

 

1.国連統計部のサイトへ移動

  https://unstats.un.org/home/

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2.DATAタブ➡National Accounts Main Aggregatesを選択

  Main Aggregatesは「主要な集計項目」と捉えれば良いだろう

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3.Downloadsを押下
 一番右の青いボタン(Downloads)を押下する
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3.見たいデータを選択
 GDP and its breakdown at current prices in US Dollars(GDPとその内訳(現在の価格で米ドル建て))から、All countries for all years - sorted alphabetically(すべての国のすべての年についてーアルファベット順)を選択

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4.統計データがExcelで取得できる
 以下のように、Excelファイルがダウンロードできる

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一部修正:arrows Uで撮った画像ファイルをパソコンに取り込むには

画面表示に一部変更がありました。操作の流れには変更ありません。 

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「端末」表記が「デバイス」表記に変更されています。

押下するのは、「接続済みのデバイス」です。

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「USB」の下の補足説明が「このデバイスを充電する」に変わっています。

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「サムネイル」について

「サムネイル」は、

画像ファイルの内容を一目で確認できるよう、アイコン代わりに利用できる大きさに縮小して表示したもの。また、YouTubeなどの動画共有サービスにおいて、動画を紹介する静止画

を指す言葉として用いられている。

 英語のthumbnail(親指の爪)を借用しており、thumbnailの意味を紐解いてみると

a small copy of a larger picture on a computer, shown in this way to allow more to be seen on the screen:

(コンピュータ上の大きな画像の小さなコピーで、このように表示することで、画面上でより多くの画像を見ることができる)

ーCambridge Dictionaryから引用

 となっている。

そうか、親指って英語でthumbって言うんでしたっけねと、thumbの意味を調べてみると

the short, thick finger on the side of your hand that makes it possible to hold and pick things up easily

(手の側面にある短くて太い手指で、物を持ったりつまんだりするのに便利である)

と記してある。

そこで、そもそも指と言えばfingerだったと思い当たり、今度はfingerを調べてみる

any of the long, thin, separate parts of the hand, especially those that are not thumbs:

(手の細長い分離した部分、特に親指ではない部分)

とある。thumbはfingerなんだか、fingerではないのか心細くなってくる。

親指以外の、人差し指、中指、薬指、小指の英語名を調べてみると

forefinger / index finger

the finger next to the thumb(親指の隣の手指)

middle finger
the longest finger on the hand:(最も長い手指)

ring finger
the finger nearest to your little finger. In some cultures, people wear a ring on their ring finger to show that they are married or are planning to get married.
 (小指に最も近い手指。一部の文化では、既婚または結婚を予定していることを示すために、指輪をはめる)

little finger
the smallest finger on each hand(最も小さい手指)

 中指よりも薬指の方が長い人もいるから、"the longest finger on the hand"では定義が甘いように思える。

ところで、以上のthumbやfingerの定義には必ず、handという言葉が出てくる。

つまり、thumbやfingerはhandの一部であって、日本語の「足の指」を示す言葉ではない。

「足の指」を示す言葉はtoeである。toeと言う言葉は「つま先」を連想するが、

toe
any of the five separate parts at the end of the foot:

(足の先端にある5つの独立した部分のいずれか)

となっている。それぞれの指の英語名を調べてみると、

big toe、index toe、middle toe、forth toe、little toe

となっている。

 

学生時代に英語教師から聞いた悪い冗談を思い出す。

それは、とある日本人が英語ネイティブの知人から「fingerは何本あるか」と問いかけを受け、「(両手足の指を足して)20本」と答えると、取り巻きが嘲笑するというものである。

作り話かも知れないが、このような行き違いは、そもそもお互いの文化圏が異なるから、言葉の一対一対応は出来るはずもなく、いちいち咀嚼して理解していく他ないのだろう。

 

 

さて、IT用語の「サムネイル」に話を戻して、これの中国語を調べてみると、

「缩略图」、「縮略圖」あるいは、「封面縮圖」が出てくる。

日本で用いる漢字に当てはめると「縮略図」となる。

「サムネイル」の意味としてはぴったりで、さすが、漢字の国である。

 

明治維新の頃であれば外来語の意味を吟味して、新たな言葉を造ったことだろう。

昨今は技術用語を中心に、特に英語圏からの流入が激しく、安易にカタカナ語にしてしまうことが多いが、一度原典を紐解いたり、あるいは漢字文化圏での取り入れ方を参考にしてみても良いのかも知れない。

 

そう言えば、「五輪」と言う造語は、とてもよくできている。

視覚的に「五輪の輪」を彷彿とさせるし、発音もOlympicという響きに通じるものがある。

自然発生的にできた言葉なのか、誰か仕掛けた人がいるのかは、良く分からない。