夕ご飯は、小倉駅プラットホームの立ち食いうどんのお店にて。
門司出身の同行者が、メニューを無言で指さして、「かしわうどんにしろ」と言ってくる。
甘く煮た鶏肉に、あっさり目の出汁が良くあう。
小倉駅を21時53分に出発、大分には23時25分に着く。
二人掛けの座席をそれぞれ、一人で使い、真っ暗な車窓をぼうっと眺める。
ふと、「かしわうどん」を勧めてくれた同行者に目をやると、
なにやら文庫本を熱心に読んでいる。
他の同行者や乗客は寝るか、スマホの画面を見ているのに
まだそう年を食っていない者が、夜の特急列車で文庫本を開いているのを見ていると、
なんだか懐かしい気がしてくる。
何の本なのだろう。
気になるが、今日会ったばかりなので、尋ねるのは憚られる。