すゞろなる記

すずろ【漫ろ】〈形動ナリ〉たいしたものではない。たわいもない。

英語についての備忘録

総理の英文ツイートが騒動になっているらしい。

その英文についての解説動画がYoutubeに上がっている。


英語が稚拙?!-菅総理のトランプ大統領への英語ツイート

他の動画も見てみたが、なかなか信頼できそうなので、自分の備忘用に残しておきたい。

今回検証する原文はこちら

Dear President Trump, I was very worried about you when I read your tweet saying that you and Madam First Lady tested positive for COVID-19. I sincerely pray for your early recovery and hope that you and Madam First Lady will return to normal life soon.

この文について、以下のような論点が出ている。

 

1.I was very worried …と過去形にしている表現がおかしい

  (まるで、「今現在は心配していない」ように思える)

 ⇒この表現で特に問題は無い

  (「今は心配していない」と取られる懸念は無いとのこと)

 

2.Madam First Lady

 ⇒the First Ladyの方が適切

 

3.early recovery

 ⇒speedy recoveryやquick recoveryの方が自然。

 

プログレッシブ英和中辞典を紐解いてみると

 ・early(形容詞)-早い時期[段階]に起こる:初期の、早期の、<時刻が>早い

  等とあり、例として

  early spring:早春、early morning:早朝

 

 ・speedy(形容詞)-速い、迅速な、たちまちの、即時の

  で例えば

  a speedy reply:即答

 

 ・quick(形容詞)-機敏な、<進行・手順などが>即座の、急速な

  等とあり、例えば

  a quick grower:(植物など)生長の早いもの

 

とあるので確かに、speedyやquickを使った方が望ましく思えてくる。

もしかすると、earlyを使った意図としては、「早い段階での回復を」という意味にしたかったのかも知れない。

 

4.hopeは実現可能性が低い場合に使う単語なので不適切

  ⇒この表現で特に問題は無い

 

5.you and Madam First Ladyと言う文が2度出てくる

  ⇒例えば2度目の箇所をyou both(あなた方お二人とも)に言い換えた方が良いのでは。

 同じ言葉を繰り返すと、稚拙に見えてしまうのは、日本語でも同じことでしょう。

だから別の表現で言い換えもするし、書かなくても意味が分かる言葉はあえて書かない方が、文章が締まって見えるというものと思われる。

  

以上の指摘を踏まえると、こうなる。

Dear President Trump, I was very worried about you when I read your tweet saying that you and the First Lady tested positive for COVID-19. I sincerely pray for your speedy recovery and hope that you both will return to normal life soon.

 

なお、今回の英文ツイートの解説のほかに、

POTUSは米国大統領(President of the United States)

FLOTUSは米国大統領夫人(First Lady of the United States)

との解説もあった。

POTUS、FLOTUSは、プログレッシブ英和中辞典、ジーニアス英和辞典、ロングマン現代英英辞典を見ても見つけられなかった。確かに、受験英語で使うような単語では無いのだろう。