すゞろなる記

すずろ【漫ろ】〈形動ナリ〉たいしたものではない。たわいもない。

核図表(Chart of the Nuclides)

 核図表とは、原子番号(atomic number、陽子(proton)の数)を縦軸に、中性子(neutron)の数を横軸に取り、原子核(atomic nucleusを並べた表である。

 

よく知られている表に周期表(the periodic table of elements)がある。これは、物理的・化学的性質が似た元素(element)が縦の列に並ぶように、元素を配列した表である。

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核図表の裏に、周期表が描かれています

核図表では元素は行として示され、それぞれの行の中に複数の原子核が表示されている。

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例えば、水素(原子番号1)の行(上の図の赤い破線)を見てみると、

左端に「中性子数がゼロ個の水素原子」(軽水素、protium、Hydrogen-1)が配置されている。そこから右に順に、「1個の中性子を含む水素原子」(重水素、deuterium、Hydrogen-2)、「2個の中性子を含む水素原子」(三重水素、tritium、Hydrogen-3)と並び、右端が「6個の中性子を含む水素原子」(Hydrogen-7)となっている。


つまり、原子番号1の元素(水素)は現在、7種類の原子核が確認されていることを示している(「確認されている」とは、「人工的に生成している」ことを含んでおり、必ずしも、「自然界で発見された」ことを意味しない)。

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なお、上の図の赤い矢印で指した、陽子数がゼロ、中性子数が4の箇所は

4つの中性子から構成された状態を表し、東京大学のウェブサイトによれば、tetraneutron nucleusや、テトラ中性子共鳴と表現されている。

 

ウラン(Uranium、原子番号92)よりも原子番号の大きい元素(つまり、原子番号が93以上の元素)を超ウラン元素(the trans-uranium elements、transは「超える」という意味の接頭辞)と呼ぶ。今のところ、自然界で存在を確認された超ウラン元素ネプツニウム(Np、neptunium)、プルトニウム(Pu、plutonium)だという(つまり、その他の超ウラン元素は人工的に生成されているとのこと。そして、未知の元素を人工的に生成する際の予測に、核図表を用いているのだという)。

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我らがニホニウム(Nh、nihonium)は原子番号113の行である(下図の赤破線部分)。

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原子番号92を超える元素(超ウラン元素)の原子核は一般的に、1秒にも満たない短時間の内に崩壊して、別の原子核に変化してしまう。ただし、陽子数と中性子数の組み合わせにより、崩壊しにくい(崩壊までの時間が長い、長寿命の)原子核の存在が予測されており、核図表では太い枠で囲って表現している。核図表では、太枠の原子核が集まって分布しているように見えることから、この部分を「安定性の島(the island of stability)」と呼んでいる。

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今のところ存在が確認されている、原子番号が最大の元素はオガネソン(Og、Oganesson)であり、原子番号は118である。それだから、原子番号が119以上の原子核については、名前は無くただ質量数(陽子と中性子の数の和。Mass number)で表現されている。

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和名や英語表記は、各種研究機関のウェブサイトや、Nature、Britannicaのウェブ版から引用しています。